98 梅干し配り

その他
塩漬けの梅を天日に干してひとつずつ裏返す

我が家の一段上の畑に梅の木が十数本ある。

毎年梅雨になると青い実がたわわになる。

夫は年中せっせと下草の草刈から、

家庭の生ゴミの肥料や、道にたまる落ち葉を集めて、

梅の木を無農薬で育てている。

おととし、梅干し作りを十数年来教えてくれていた叔母が他界。

昨年から夫一人で梅干し作りに精を出している。

私も昨年仕事を退職してから少しだけど加勢するようになった。

先の尖ったハサミで、

一晩水につけておいた梅を乾かし、一個ずつ手にとってヘタを取る。

単純作業の合間に、ほのぼのとした暖かい会話が生まれる。

梅の塩漬けを終えて、部屋いっぱいの赤紫蘇を塩で揉んで、

手のひらを真っ赤にしながら、

焼酎とカップで測った塩と砂糖少しを、

綺麗に並べた梅に交互に振り入れて、樽詰をする。

出来上がった梅干しの樽は10樽あまり。

焼酎を振りまく。

かつての島の教え子たちの家族や、

仕事でお世話になった地域の方々へ、お正月前に届ける。

塩辛いだけの梅干し。でも、

梅の木の無い所だったり、

お弁当には欠かせないと喜ばれている。

私の里や、同級生などにも届ける。

京都の名だたるお寺の和尚さんへも奉納する。

たかが梅干し、されど梅干し。

みんなの喜ぶ笑い声が聞こえてくる。

#梅干し #無農薬 #笑い声 #奉納

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